ぬいぱにっく!~恐怖の饅頭の段~ //落乱-鉢尾小説 万年時計のまわる音

 雷蔵に告げたとおり、勘右衛門はその後も暫し学園の敷地内を西へ東へ歩き回っていた。だが探し人は当然見つからない。
 やがて心当たりを回り切ったのか、勘右衛門は唐突に正門へと向かった。そこで掃除していた小松田さんを捕まえ、三郎の外出届が出ていないかを確認する。
 学園外の可能性を潰してようやく委員会室へ戻るのかと思いきや、次に彼が足を向けたのは半鐘台だった。梯子を登り無人の最上部に至ると、桟に足をかけ屋根の上へよじ登る。そうして学園内で最も高い場所に陣取った彼は、屋根の頂きに手を掛け辺りにじっくりと目を凝らした。

「鉢屋、いないなあ……」

 屋根を一周してそうぼやいた勘右衛門は、ため息をついてその場にしゃがみ込んだ。膝の上に頬杖をつき、途方に暮れたように遠くを眺めている。その探し人たる三郎はしかし、声をかけることさえ叶わないのだった。故に力無い彼の瞳を、懐に収まったままやるせない思いでただじっと見上げていた。

 どれほどそうしていただろうか。気がつけば陽は黄色みを帯び、西の空へと傾き始めている。
 ふと耳に届いた(しゃが)れ声に釣られて仰ぎ見れば、数羽の烏が頭上を通過して行くのが見えた。時折鳴き交わしながら漆黒の羽を羽ばたかせ、黄昏の空を裏裏山の方角へ飛び去っていく。
 勘右衛門は、その姿が視認できないほど小さくなるまで黙って見送っていた。それからため息をひとつついて、ようやく腰を上げる。

 次の瞬間には、彼はその身を屋根の上から中空へと躍らせていた。懐に収まった三郎も彼と共にふわりと宙に浮く。そして一拍の後には当然ながら落下に転じていた。風圧で衣の上から押しつぶされ、また隙間から吹き込んでくる鋭い風に嬲られる。はためく襟の隙間からは遥か下方の地面が垣間見えた。

(――ひ、〰〰っっゔわぁああぁあぁーーーーッッ!!!!)

 地表のあまりの遠さに、情けない悲鳴が口を突いて出た。それは声が出ないことに感謝せざるを得ないほど、残念な大絶叫だった。普段の三郎には難などない高さでも、矮小な今の身では恐怖を覚えずにはいられなかったのだ。今はあるかも定かでない三郎の三郎がヒュンと縮み上がるようで、正直生きた心地がしなかった。

 懐のぬいぐるみが玉ヒュン体験をしているなどとは思い至るわけもない勘右衛門は、宙で二度ほど身をひねり軽々と着地を果たした。その足で今度こそ校舎の方へと向かい、建物の中に入っていく。
 人気の少ない放課後の廊下を黙々と進み、学級委員長委員会の部屋へまっすぐに向かう。特に誰と遭遇することもなく目的地に到着した勘右衛門はしかし、合図も声掛けもせずに勢いよく戸を開け放った。やや乱暴に退けられた戸板が派手に柱にぶつかり、大きな音が周囲に響き渡る。
 その先にあったのは、差し込む陽の色以外何も変わっていない無人の委員会室だ。

「――……戻ってもない、か」

 瞬きの間ほどの沈黙を、ぽつりと落ちて来たつぶやきが破った。その声音には落胆が滲んでいるように思えた。だが見上げた顔は普段どおりに見え、確証を得るには至らない。

 静かに室内に踏み入った勘右衛門は後ろ手にそっと戸を閉めた。慣れた足取りで自席に向かい腰を落ち着けると、おもむろに懐の三郎を取り出す。
 そのまま今一度、綿の詰まったふあふあぼでぃをしげしげと検分し始めた。二度目とはいえ、至近かつ四方八方から視線を注がれる状況に慣れるのは難しい。三郎は気持ち身を強張らせた。
 だが二度目故だろうか、それほど経たぬ内に観察をやめた。代わりに此度(こたび)も、真正面から顔をじっと見つめて来る。三郎は身動ぎすらできないのを幸いと、羞恥や緊張を思考の外に追いやり、目の前に迫る勘右衛門の顔(かたち)を観察することにした。

 己を見つめる丸い目は(今の三郎にとっては事実大きいわけだが)なお大きく、時折くりくり動く様が小動物のそれを思わせる。緩やかな弧を描く眉、ふっくらした頬をはじめ丸っこさの目立つ顔立ちには幼さと紙一重な愛嬌が感じられた。この顔で万力鎖を自在に操る(りょ)力と策謀を巡らせる頭脳を備え、その意外性に自覚的でありながら素知らぬ顔で活用している節さえあるのだからまったく恐れ入る。そんな食えないところも、数多ある彼の魅力の内の一つだ。

 やや浮ついた方向に思考を脱線させつつ、恋しい男の顔を遠慮なく見つめる。すると不意に、目の前の丸い目が眇められた。

「……無駄に器用なやつ」
(無駄!? 今無駄って言ったか!? 器用に無駄も何もないだろ!!)

 鼻白んだように吐き捨てた勘右衛門に、三郎は大いに憤慨した。
 彼は今の三郎を『三郎が作った雷蔵ぬいぐるみ』だと思い込んでいる。ならば当然、先の発言は三郎の手腕に対する感想と理解できる。とはいえ実際のところ作ってはいないので、そもそもが筋違いの評だ。
 だがそう理解していてなお、反駁せずにはいられなかった。なんせ三郎が受ける賛辞の筆頭が『器用』なのだ。そしてその評は、変姿の小道具を自作している身として相応と自負してもいた。実際にぬいぐるみを作るとなれば滝夜叉丸ほどではなくとも、それなりに上手く作れる自信もある。大体器用であることは重宝されこそすれ、無駄と切り捨てられるものではないはずだ。

 勘右衛門の感想に不満が膨らむ。だがそんなことなど知る由もない彼は、ぶすくれている身も心も矮小な三郎を机の上に降ろした。直後すぐ目の前に身を伏せて来たため、彼の視線は依然として至近距離から注がれ続けている。

「お前のご主人様は一体どこに行っちゃったんだろうな……?」

 文机に突っ伏したまま勘右衛門がつぶやいた。話しかけるかのように紡がれたそれは、なんとも言えない空虚さを伴っているように聞こえた。目の前にある彼の黒い双眸も烟ったようにぼんやりとして、三郎を見ているようで見ていない。夢でも見ているかのような曖昧な彼の様子に、三郎は妙な焦燥に駆られる。

「……雷蔵相手に鉢屋をご主人様って言うのは変か。でもなんか、犬猫を相手にしてるみたいな気分なんだよなァ」

 自身の発言を(わら)いながら、三郎の綿の詰まった頬をつんつんとつついてくる。勘右衛門の纏う空気は後輩と一緒にいる時のようにひどく柔らかい。その優しげな態度、そして浮かべられた苦味を帯びた微笑に、三郎は何故かつつかれた頬よりもずっと強烈なむず痒さを胸の辺りに覚え、内心顔をしかめた。

「――あれ?」

 彼の指と不快ではないこそばゆさを満更でもなく甘受していると、不意に勘右衛門の瞳に明瞭な光が戻った。にわかにつつくのを辞め身を起こした彼に再びつまみ上げられる。

「なんか……よく見ると、どことなく――鉢屋っぽい、ような……?」

(――!?!?)

 半信半疑な彼の言葉に、三郎はぎくりと身を竦めた。覗き見がバレたかのような後ろめたさを感じつつ息を呑んで彼を見つめる。

「生意気そうな目とか、雷蔵っぽくないし……」
(は、はぁ〰〰!? 生意気そうな目ってどんな目だよ失敬なッッ)

 続けられた批評に妙な気恥ずかしさを覚え、間髪入れずに文句を喚く。嬉しいような悔しいような、なんとも言い難い据わりの悪さが心中で激しく渦を巻いていた。今すぐ彼の手から逃げ出して、その辺を転げ回りたい気分である。

 これまでの彼の反応からして、今の己が雷蔵を模した姿のままぬいぐるみ化しているのは間違いない。つまり先刻の言は、雷蔵を模した三郎自身の造形に対し言及しているものと受け取れる。今の三郎には自身の形状を確かめる術すらないが、よりによって顔のつくりから模倣側(さぶろう)と見抜かれるのは変装の達人としていかがなものか。だがその一方で、病に冒された三郎の心は勘右衛門が気づいてくれたことを喜ばずにはいられないのだった。まったく、恋は人を愚かにするとはよく言ったものである。

「……でもなあ。鉢屋が自分で自分を作るわけ、ないだろうし……。雷蔵に作れるとも思えんし……? うーん……」

 当然三郎の喚きも葛藤も知り得ない勘右衛門は、思考を整理するかのように考察らしきものをブツブツと垂れ流しつつ首をひねっている。三郎はむっつりと口を噤むと、怪訝そうな彼の顔を見つめてその独り言に耳を傾けた。

「滝夜叉丸辺りにセットで作ってもらったとか? だとしても、鉢屋は自分のぬいぐるみなんか連れ歩いたりしないと思うけどなあ……雷蔵のならまだしも」
(イヤまだしもってなんだよ!? ぬいぐるみ持ち歩くなんて幼稚なこと誰がするか!私のことなんだと思ってんだ!?)

 だが彼の考察が不名誉な方向に転がったため、黙っていられたのは一瞬だった。堪らず抗議したが、もちろんその声も届きはしない。
 勘右衛門は思考の海に一層深く沈み込んだのか、それきり口を閉ざした。眉を寄せた彼に無言のままじっと見つめられ、三郎の緊張が最高潮に達する。

 と、唐突に勘右衛門の表情が凪いだ。大きな瞳に窓から差し込む西陽が映り込み、微細な光を弾いてきらきらと輝く。

「――あいつ自身も、お前くらい可愛げがあればなァ」

 ふわり、と勘右衛門が微笑みを浮かべた。それは薄らと苦みを帯びてはいるものの、台詞には不吊り合いな柔らかさを秘めた魅惑的な笑みだった。彼は表情はそのままに呆れたようにため息をつきつつ、三郎の頭のてっぺんを指先でぐりぐりと撫でて来る。

(〰〰私に可愛げがないとでもっ? ままならない恋心に振り回されしょーもないことに腹を立て、好いた相手(かんえもん)に喧嘩売るようなカワイイ男だぞ、私はッ!)

 彼の表情に心奪われかけていた三郎は、我に返るなり懲りることなく皮肉めいた異議を憤然と申し立てた。その内訳は、むしろ届かないと分かっているが故の拗ね散らかした文句でしかない。
 しかしどうしたことか、三郎が腑抜けた不満を垂れている間に今度は勘右衛門の顔から笑みだけがスコンと抜け落ちた。細められたままの彼の目は眼前の三郎を映さず、彼方を眺めているかのように遠い。

「……いいや、本当はもうずっと前から、――……」

 再びぼんやりとした顔になった彼の口から、断片的な言の葉がこぼれ落ちる。ほぼ吐息のようなごく微かな音だったが、至近距離に鎮座した矮小たる三郎は確かにそれを聞き取った。
 曖昧な表情が妙に引っ掛かり、その顔から視線を逸らせぬまま、彼が言葉にしなかった真意を求め思案を巡らせる。だが聞き取れた言葉はあまりにも脈絡がない上に断片的にすぎて、妥当な答えになど辿り着けるはずもない。

 その間にも、勘右衛門の表情はさらなる変化を見せる。
 彼は今一度薄らと微笑んだ。だが彼の大きな瞳には、表面に散る光彩とは対照的な切なげな色が宿っている。笑みを浮かべているにもかかわらず(かげ)りを帯びたその黒い珠は、丸く研がれた石のように無機質だ。
 哀しげな気配を纏い柔らかな西陽を浴びて佇む彼は、寂しくも神々しいほどに美しい。至近距離で遭遇したその様に、目を奪われる。

「――いいな、お前。本人と違ってどっか行っちゃったりしないし」

 そう独りごちた勘右衛門の微笑が、再び薄らと苦みを帯びる。それを目の当たりにして三郎は、彼が傷ついていることを直感的に理解した。

(っ私はどこにも行ってないぞ!! ずっとここに、勘右衛門のすぐ側にいるんだ……! だから、そんな顔……ッ、しないでくれよ……!)

 歯痒さに耐えきれず、己が存在を切に訴え彼の方へと必死に腕を伸ばす。だがやはり、動くことも声を発することもできなかった。今の三郎は目の前にいる恋しい存在を慰めることさえできない、無力で無価値な存在でしかないのだ。

(……たかが委員会の同輩じゃないか、お前に取っては。なのに私が見つからないくらいでそんな顔、するなよ……)

 無力感と胸の痛みに喘ぎながら、音にはならない声で苦しみを吐き出す。
 喧嘩別れしたままになってしまっているが、元々勘右衛門に責はない。その上厚意まで踏みにじられている。書類仕事の作業分担も既に済んでいるため、三郎がおらずとも業務に支障はないはずだ。つまり彼には、三郎を探さねばならない理由も義理もありはしないのである。だというのに気にかけて探し回った挙げ句、見つけられないことを悲しむなど、どこまでお人好しなのか。

(そうだ、勘右衛門はもう自分の仕事を始めるべきだ。それで終わったら部屋に戻れ。拾得物を発見した場所に戻すのは対処として間違ってないし、勝手におやつ食っていなくなった幼稚で人でなしの同輩なんぞ、捨て置け!)

 情けなさと心苦しさに突き動かされるように必死に呼びかける。だが当然、三郎の声は届かない。勘右衛門は悲しみの余韻が残る瞳でこちらを見つめたままだ。その虚ろな微笑を、三郎は臍を噛みつつただじっと見つめ返した。

「……譲ってもらえたり、しないかな……?」

 夢を見ているかのようなぼんやり顔の彼の口から再び、こぼれ落ちるかのように言の葉が転がり出た。あまりの脈絡のなさに、右から左へ通り抜けていったそれを反芻して、三郎の思考が停止する。――今、なんて言った?

「――無理か。大体どんな理由でくれだなんて、言えるかってんだ。なあ?」

 理解が及ばず呆然としていると、自嘲気味に笑う彼に同意を求められた。重ねられた問いが、先の発言が勘右衛門の言い間違いでなければ、三郎の聞き間違いでもないこと証明している。
 彼の言葉が頭の中をぐるぐる駆け巡る。『譲ってもらえたり』『くれだなんて』――つまり彼は、手元に置きたいと言うのだろうか? 委員会の同輩でしかない三郎の、ぬいぐるみなんぞを……。

(――――え。……ほ、欲しい……の、か……? 私の、ぬいぐるみが……????)

 やはり音にはならなかったが、半信半疑ながら口にしたことでようやく、上滑りしていた言葉の意味が三郎の脳に染み込んでくる。
 一同級生に過ぎない三郎のぬいぐるみなんぞを勘右衛門が欲しがる、などということが果たしてありえるだろうか。そんな願望を彼が持つとするなら、その動機は――……もしかして。

(……いやいや、今までを振り返ればそんな都合のいい話なわけ、……。――……でも、…………)

 地表に染み出す湧水のようにじわりと生じた期待を、内なる冷静な己が慌てて否定する。
 期待というものは敗れた瞬間、鋭利な刃物に変貌する恐ろしい代物だ。勘右衛門に纏わる精神的な刃など三郎には致命傷にしかならず、故に間違っても、ごく僅かにであっても抱いてはならない。だが何度打ち消そうとも、甘い期待はしぶとく蘇った。
 去来する感情と格闘する。だがそんな三郎を尻目に、勘右衛門が唐突に首を巡らせ周囲に視線を走らせる素振りを見せた。ここは委員会室で他に誰がいるはずもない。にもかかわらずそんな行動を急にとった彼を不思議に思う。

 ――ふに。

 気がついた時には、三郎の視界は肌色で埋めつくされていた。顔には、柔らかくしっとりとした温もりが触れている。

「――……、っへへ」

 永遠にも思えた空白の後、顔を離した勘右衛門が照れたような笑みを漏らした。頬を薄く染めてはにかんだように笑う顔は初めて見たが至極かわい、

「勘右衛門、いる?」
「うわーーーーーーッッ!?!?」

 いと思ったその時、唐突に穏やかな声が耳に届いた。瞬間、勘右衛門が絶叫と共に大きく振りかぶり、手にしていたものを思いっきりぶん投げる。結果床と衝撃的な対面を果たすこととなった三郎は、反動で宙へと跳ね上がった。
 幸いにも痛みはない。だが事態に驚いている暇さえ無く、突如ぼふんと何かが破裂したような音がした。同時にどこからともなく現れた煙に巻かれる。その謎の衝撃により、三郎のふあふあぼでぃはさらに高くへと押し上げられた。
 だが謎の破裂音はその一度きりで、浮力を失えば宙に浮いたものは重力に従い落ちるのみだ。そして落下時の衝撃は、その距離が長いほど大きくなるものである。故に三郎は、文机の上に載っていた書類や茶碗を巻き込み派手な音を立てて床に転がることとなった。

「アダーーーーッッ!!」
「ぅわ!? ちょっ、――え、……――大丈夫……?」

 突然の事態に受け身も取れず尻をしこたま打ちつけ、堪らず情けない悲鳴をあげた。己を案じる雷蔵の声は騒音の中でも耳に届いたが、悶絶するほどの痛み故に相棒を気にかけるどころではない。口をへの字に曲げ、少しでも苦痛を和らげようと患部をさする。
 だがそこでようやく、重大な事実に気がついた。

(――痛、い……? それに、今。私、尻をさすって……――?)

 動揺しつつも急ぎ足元に目をやれば、人並みに長い足が文机に引っかかっているのが見えた。そこから手前へ辿ると藍の衣に包まれた臀部から体幹へと繋がる。また尻に添えたままだった手を引き寄せ動かすと、傷痕だらけの見慣れた手のひらが目の前で開いたり閉じたりした。三郎の四肢は今、三郎の思うがままに動いていた。

 ――そう、三郎はようやく綿の詰まったふあふあぼでぃから長年連れ添った生身の身体へと戻ることができたのだ!

「〰〰も、っっどれたぁああぁぁッッ!!!!」

 喜びのあまりに歓声をあげて跳ね起き、天に両の拳を突き上げる。ああ、思うがままに我が身を操れるということが、こんなにも嬉しいことだとは知らなかった。今にも踊り出してしまいそうなほどに気分が高揚している。

「――ええと、戻って来られて良かった、ね……? ということは、肝心の仕事はこれからなのかな。なら僕は長屋に戻ってるね」

 雷蔵の控えめな確認は、歓喜に沸く三郎の耳を右から左へと通り抜けていった。

「……ああ。ごめん、雷蔵……。ありがと、な……」

 一呼吸置いて別の声が、放心気味ながらそれに応じる。だがその言葉も、三郎の脳まで届くことはなかった。

 タシン、と小さな音を立てて戸が閉められる。室内には奇妙な沈黙が横たわった。
 そこに至ってようやく少し落ち着きを取り戻した三郎は、天を仰いでいた顔をゆっくりと正面に戻した。瞬間、やや離れた位置にいる男と視線がぶつかる。彼は元より丸い目をまあるく見開いてこちらを凝視していた。

 動き出したのは、ほとんど同時だった。三郎は瞬時に床を蹴り、戸口へ駆け出そうとした勘右衛門の手首をがっちりと捕まえる。

 彼は先刻、三郎のようだと認識を改めたぬいぐるみを欲しがっていた。その上で、――口付けた、のである。実はぬいぐるみが三郎本人であったわけだが、そうとは知らない勘右衛門は自身のみの場と認識していたはずだ。そこでの言動が、本心以外の何に基づくというのか。彼の気持ちを疑う余地などあるわけがなく、故に三郎の行動に迷いはなかった。

「いや本気でなんなの!? どういうこと!? おま、どこから!? てか、あれ、ぬいぐるみは!?!?」
「あー、あー。混乱するのは当然だし私も混乱してるが一旦落ち着け、逃げるな座れこっち見ろ」

 恐慌のまま逃れようと暴れる勘右衛門を捕えた手に力を込めつつ、自身にも言い聞かせるように言葉を紡ぐ。彼はそれでもなお踠いていたが、逃れられないと悟ったのかやがて大人しくなった。
 勘右衛門の両肩に手を置き正対する。だが彼は上体ごと三郎から顔を逸らした。肩を軽く揺すってこちらを見るよう促すも、丸い目は頑なに明後日の方向を見つめている。その顔は不自然なほどの真顔だ。

「……勘右衛門。さっきお前私に、」
「いやァ~、雷蔵のぬいぐるみ可愛いなあ~って思ったら愛しさがあふれちゃってさぁ。まさか雷蔵に変装中の鉢屋のぬいぐるみだなんて、普通思わないだろ?」

 ならば問い質すまでと三郎が口を開いた途端、それまで神妙にしていた勘右衛門が皆まで言わせず捲し立てた。おどけた風だが語気は不自然なほどに強く、口元は僅かながら引き攣れているし視線もやや泳いでいる。彼が未だ繕いきれないほどに動揺を引きずっていることは明らかだった。珍しいその様子に、今が好機(チャンス)と確信した三郎は即決で攻勢に出る。

「しれっと嘘つくな、惑わされんぞ! 動けも喋れもしなかったが全部見聞きしてたし、――……()、れた、んだから、な……!」

 柔らかな感触を思い出しながら自身の唇にそっと触れる。途端、勘右衛門の顔や耳、首までもがボッと音が立ちそうなほど急激に赤く染まった。想定外にも素直で可愛らしいその反応に、三郎の心の臓が握りつぶされたかのように激しく収縮する。
 ここまであからさまな態度を見せられて、言い逃れを許す道理はない。だが勘右衛門は非常に諦めが悪かった。無言で三郎の手を振り払うと、再び戸口の方へと身を翻す。咄嗟に腕を伸ばして再び彼の手首を捕えた三郎はしかし、次の瞬間には足を払われ床上に転がされていた。動揺していてなお鈍らないらしい彼の技量に舌を巻く。

(だがようやく巡ったこの好機(チャンス)、絶対に逃がしてなるものか……!)

 これまで塵芥に帰してきた落胆の記憶が脳裏をよぎる。三郎は踏み越えてきた己が落胆の記憶をバネに今一度腕を伸ばし、寸前のところで彼の足に縋りついた。足がもつれた勘右衛門が転んだのを幸いと、急ぎ這い上がってその場に組み伏せる。

 床上に縫い留めた彼に覆い被さると、勢いのままにその口唇を己がそれで塞ぐ。薄く開かれた唇の隙間から侵入し、無防備な彼の舌に絡めた。勘右衛門は驚いたようにビクリと身を跳ねさせて舌を引っ込める。三郎は彼の顎を押さえつけて逃げ惑う彼の舌を追う傍ら、その口内を思うがままに舐め回した。
 やがて再び捕えた彼の舌に、己がそれをねっとりと絡める。粘膜同士がぬるぬると擦れる感覚は官能的でひどく甘い。吸い上げる度に身体が痺れ、気持ちよさに思考が脳髄ごと溶け落ちてしまいそうになる。

「っんン〰〰〰〰ッッ!!!!」

 彼の甘い口唇を夢中で堪能していると、くぐもった抗議の声を上げた勘右衛門が力任せに三郎の唇をもぎ離し顔を背けた。三郎は渋々ながら上体を持ち上げ、己が組み伏せた男を見下ろす。彼は頬を上気させ肩が上下するほど荒い呼吸を繰り返しながら、鋭い視線でこちらを睨み上げている。瞳に怒りを宿し、いたく不機嫌そうではあるものの、その顔に嫌悪の類いは見られない。
 喜ばしいその反応に三郎は思わず破顔した。

「ッいきなりえげつない口吸いかましていい笑顔してんなよこのすけべッ!!」
「すまん、つい」

 口元に垂れた唾液を手の甲で雑に拭う魅惑的な様に、口角が勝手に吊り上がる。浮かんでしまう笑みはそのままに悪びれもせず応じると、三郎を押し退けて起き上がろうとしていた彼が意外そうにこちらを見た。僅かに瞠目した彼と、そのまま暫し謎に見つめ合う。

 やがて勘右衛門は、その丸い目をゆっくりと眇めた。視線は合わせたまま、片眉を上げ胡乱げな表情を形作る。

「――なんだよ、鉢屋も俺のこと好きなわけ? それならそうと早く言えよなぁ……」

 脱力気味に文句を垂れ、呆れの滲む大仰なため息を吐く。彼の態度と後半の発言を受けて、三郎は思わず眉尻を吊り上げた。

「いや散々アピールしてきただろうがッ!?」
「は? いつ」

 前のめりで抗議するも、勘右衛門は少しも動じず不審げに眉を寄せた。その場にあぐらをかき、言葉少なに即聞き返してくる。横柄な態度に一層不満が膨らんだ三郎は、ならば率直にぶちまけてやろうと思い深く息を吸い込んだ。

「これまでに何回でえとを画策しては台無しにされて来たと思ってるんだ!! 散々も散々、両手両足の指じゃ足りんのだぞ!?」
「で、でえとだあ~~??」

 恨みつらみを込め一息に捲し立てれば、勘右衛門は心底困惑した様子でその内の一単語を復唱した。なるほど彼はでえとに誘われた心当たりなどないと言いたいようだが、こちらはまったくもってどこをとっても一切合切なるほどできない。

「昨日だって!!」

 故に矢継ぎ早に、具体例を語気を強めて訴えた。直近も直近だ、記憶がないとは言わせない。しかしなおも訝しげな表情を崩さない勘右衛門は、ひどくゆっくりとした動作で首を傾げ腕を組んだ。

「――昨日?……峠の茶屋か? ありゃ委員会のおやつ買い出しの話だったろ?」
「違うわ!!!!!!」

 思いもよらぬ返答に、三郎は堪らず怒気も露わに噛みついた。昨日の会話において、委員会のおやつとも買い出しだとも言った覚えはない。天然ボケもいい加減にして頂きたい!

「――……んん~~? もしかして、それでキレてたのか? 昨日」

 渾身の否定に、眉を寄せた勘右衛門があからさまな思案顔で顎に手を添え問うてくる。……この流れで今出る疑問がそれなのか。三郎は膝から崩れ落ちそうになった。
 だがようやく話が前進したのだ、ここで挫けてはいられない。

「〰〰ああそうだよッ! こちとら必死に誘ってんのに勘右衛門が全然取り合ってくれないから……っ」

 勢い任せに、半ばヤケクソで昨日の不満を率直にぶちまけた。なりふり構わぬ己に湧き上がる羞恥と闘いつつも、どうにかこうにか視線をあげる。だがこともあろうに勘右衛門は、今なおこちらを心底不審そうな横目で眺めていた。

「必死ぃ~? そうだったかぁ? 記憶にないけど??」
「必死に売り込んだだろうがっ! 雷蔵と下見してきた詳細を!! これでもかと事細かにッ!!」

 まったく信じていない様子の勘右衛門に立て続けに吠え立てる。途端、彼は何故か唐突に渋面をつくった。

「いや好きなやつの惚気話聞くなんて苦行にまともに取り合うやつがいるわけないだろ……」

 苦虫を噛み潰したような顔で、音量を大幅に落としぼそぼそとつぶやかれた。一応聞き取れはしたもののその内容に理解が及ばず、三郎は眉をひそめた。
 これまでの話の展開と彼の口ぶりからして、勘右衛門の『好きなやつ』が誰を指すのかは、信じ難くも嬉しいことだが理解したつもりだ。だがその『好きなやつ』には、彼の前で惚気話をした覚えなどないのである。そもそも勘右衛門(おもいびと)との仲を惚気られるような実績は過去一つもない。

「……惚気話……?」
「あー。いい、いい。鉢屋の雷蔵に関する言動を一般人基準で解釈した俺が間違ってた」

 素直に疑問を呈すると勘右衛門が呆れたように額を押さえつつ、虫でも追い払うかのように手をひらひら振った。その反応も理解不能だったが、彼自身は納得しているらしい。そしてその詳細を説明してはくれなさそうである。
 不明を不明のままにするのは据わりが悪いが、彼の『好きなやつ』の解明に比すれば瑣末ごとである。故に三郎はとりあえず惚気話の謎はおいておくことにした。

「でも実際勘右衛門、私と二人で外出するの避けてた、よな……?」

 より優先度の高い別の疑問を、恐る恐るぶつけてみる。すると勘右衛門は居心地悪そうに視線を逸らした。

「そ、それは、そのぉ~……」

 もごもごと口ごもり、頬を淡く染めて視線を泳がせている。なんともいえず可愛げのある勘右衛門の態度に、心の臓が大きく跳ねた。脈打つ音は徐々に速く、大きくなっていく。うるさいほどの拍動に勘右衛門の言葉がかき消されてしまわぬよう、三郎は耳をそばだてた。

「……俺が一方的に気まずくて、さぁ……実質でえとじゃないか!? とか一人バカみたいに浮かれたくなくて、」
「実際でえとだったんだが!?」

 歯切れ悪く述べられたのは想像だにしなかった『それ以外の理由』だった。故につい食い気味に大声で食いついた三郎に、勘右衛門はただ不満も顕わに目を眇める。

「鉢屋が俺を好きだなんて知らんかったもん俺。普通に雷蔵を好きなんだと思ってたし。()われてもねえし、でえとのお誘い?分かるか!って感じの誘い方だったし」

 半眼のまま平坦な声で淡々と反論を並べ立てられる。それを聞いてようやく惚気話の謎に合点がいった。だが何故彼は、三郎が雷蔵に懸想しているなどという勘違いをしていたのだろうか。そんな新たな疑問が湧いたが、今問題なのはそこではない。また『二人で』を強調していた点に言及したい気持ちもあったが、直接想いを告げていない身には反論の余地などなかった。ぐうの音も出ない三郎はしおしおと萎れた。

「……――おい聞いてんのか? 何事も言うことちゃんと言ってからだろ、って言ってんだけど」

 項垂れた三郎の鼓膜を、ややぶっきらぼうな文句が揺らした。ハッとして顔を上げれば、勘右衛門は未だ胡乱げな半眼をこちらに向けている。だがその瞳には僅かながら光が宿っており、まろい頬や耳殻が淡い朱色に染まりつつあるのが見て取れた。
 じわり。再び心中に滲み出た期待に、心の臓が一際大きく飛び跳ねた。その鮮やかな染みはもう、打ち消さねばならない妄想などではなくなっている。
 その場に跳ね起きた三郎は、慌てて居住まいを正した。生唾を飲み下し腹を据え直すと、勘右衛門を正面から見つめて口を開く。

「勘右衛門。私は、お前が好きだ」

 滑舌を意識しつつ、すべての語に想いを込めて言葉を紡いで口を閉ざす。
 確信があっても、己が心の在処を赤裸々に晒すのには抵抗を覚えずにはいられない。彼の反応を待つ時間はひどく永く感じられた。

 切なる想いを込めじっと見つめる。と、視線の先の半眼から不審げな色が少しずつ消えていく。やがて完全に消えた後で、彼はやや居心地悪そうに目を逸らした。

「――ん。俺も好きだよ、鉢屋のこと」

 三郎が伝えたのと同様の、誤魔化しも何もない直球の好意。三郎は興奮のあまり思わず口元を手で押さえた。その裏に勝手にニヤついてしまう口元を隠したまま、脳裏で先の誠実な返答を反芻しては込み上げてくる喜びを大いに噛み締める。

「……なあ」

 彼の告白を幾度となく反芻していると、同じ声による遠慮がちな呼びかけが耳に届いた。顔を上げれば、未だ居心地悪そうな顔の勘右衛門がやや上目遣いにこちらを窺っている。不思議に思いつつ視線で先を促すと、彼は探るような目をこちらに据えたまま躊躇いがちに口を開いた。

「するつもり、あるんだよな……? ――……オツキアイ、ってやつ」
「あるに決まってるだろッッ!!」

 気がつくと、三郎はやや食い気味に全力で肯定をかましていた。ここへ来てなお自信なさげな彼に対する若干の苛立ちもあって前のめりになった結果、何故か詰め寄るような体勢になっている。
 勢いに驚いたのか、勘右衛門は三郎が寄ったのと同程度身を引いていた。が、すぐにホッとしたような顔になり体勢を元に戻す。次いで少しだけ距離を詰めると、正面から三郎の両手を取った。そのまま柔く握ったり緩めたりと弄び始める。
 三郎はこそばゆく思いつつも彼の好きにさせたまま、手元に視線を落とした勘右衛門の長くはないまつ毛を見つめて言葉の続きを待った。

「ならさ。――明日、暇? 峠の茶屋に団子、食べに行かない?」

 きゅ、と手を握るのと同時に告げられたのは、昨日三郎があっさりフられた外出の提案――即ちでえとのお誘いだった。湧き上がる歓喜に震えそうになっている己を誤魔化すように、三郎は柔く握られた両手をしっかりと握り返した。

「ッああ、行こう! 二人きりでな!!」

 喜びのままに笑みを浮かべ力強くうなずけば、勘右衛門は呆れたように片眉を上げた。だがその口元は緩やかな弧を描いている。そんな小憎たらしい顔でこれみよがしなため息をついた彼は、勿体ぶったように目を閉じて息を吸い直した。

「当ったり前だろ! ――でえと、なんだからな!」

 元気よくそう言い放った勘右衛門は、輝かんばかりの笑みを浮かべている。喜びに満ちた表情、その口から『でえと』という単語が出たことに感極まった三郎は、堪らず彼の身を思い切り抱きしめた。
 一瞬身を固くした勘右衛門はしかし抵抗することもなく、やがておずおずと背に腕を回し抱きしめ返してくれた。三郎は想い通じた現実を噛み締め、彼を抱きしめる腕に一層力を込める。

 暫し堅い抱擁を交わした二人は、その後互いに照れつつ身を離した。そして結果的に三郎が散らかした室内を正してから、でえとに支障が出ないよう全力で書類仕事に取り組んだ。馬鹿みたいなすれ違いを起こしていたものの、二人は優秀な級長だ。翌日は当然無事に初でえとに繰り出したし、恋人同士として過ごす甘い時間を存分に満喫して帰ってきたのだった。

 こうして、三郎の悪夢のような永い一日は、特大の幸福を掴むという想定外の結末で幕を閉じた。

 その後、長年の片想いが実った二人は色ボケにうつつを抜かす――ことはなく、即此度の騒動の原因究明に乗り出した。
 元を辿れば、件の饅頭の出所がくノ一教室だったことはすぐに判明した。勘右衛門は最近二年生に編入した後輩に貰い、その後輩はくノたまから貰っていたのだ――忍者(くノ一)常識(おそろしさ)をまだよく知らなかったが故に。つまるところ、三郎と同じく出所の確認を怠った勘右衛門にも落ち度があった、というわけだ。
 だが納得の黒幕かと思いきや、くノたまたちもぬいぐるみ化現象には心当たりがないようだった。編入生にやったのは単純に持て余した試作品の処理を手伝わせたかっただけで、珍しくも悪意はなかったのである。確認に際してこちらの事情は伏せていたため、彼女らが(いたずら)に嘘をつくはずはなく、五年生を欺ける技量を持つ者もいない。
 れしぴも食堂のおばちゃんのもので特におかしな点はなく、実際に作ってもみたが例の作用が再現されることはなかった。ただ美味い饅頭が量産され、学級委員長委員会の面々および匂いを嗅ぎつけて来た福富しんべヱの心とお腹を満たしただけである。
 結局、最大かつ最重要な謎は謎のまま解決を見なかったのだった。

 ならばと個人的に図書室でも調べてみたが、やはりぬいぐるみになるなどという作用をもたらす(まじな)いや毒の類いの記述はまったく見つからなかった。だが雷蔵曰く外国(とつくに)には、呪いで蛙になってしまった若君が姫君の口付けだか暴力だかで元の姿に戻るなんて眉唾物の話が、あるとかないとかいう話だ。残念ながら雷蔵もどこで聞いたか定かではなく、教えてくれた彼には悪いが荒唐無稽も甚だしい内容である。……自身がぬいぐるみになるなんて荒唐無稽にもほどがある体験をした身で言うのもなんだが。

 原因も仕組みもまったく理解できないが、あの天然激ニブ男こと勘右衛門と心通わせることができたのは、ぬいぐるみになるなんて珍事に見舞われたからこそだったろうとは思う。だが眉唾話を鵜呑みにするのなら、三郎が生身に戻れたのはあの時彼が口付けてくれた、あるいは雷蔵に驚いて床にしこたま叩きつけてくれたお陰である。もしそうなっていなかったら――……、そう考えると血の気が引くどころの話ではない。

 故に三郎の結論はこうだ。

「物も言えぬぬいぐるみになるなんて恐ろしい目に遭うのは二度と御免だし、なんであれ当然感謝なんかしないっ!!」

<おしまい>

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[2025/02/13]

2024年8月16日開催の鉢尾の日Webイベントで前半だけ公開してたぬい化話、やっと書き上げられました!! 年内には…、1月中には……、五単までには………、、と後伸びに後伸びしまくって2月の半ば。いや遅!! 遅筆にもほどがあるだろうマジで!!!!

ちなみにぬいのモデルはぬいぐるみキーホルダー?というものでした。当時はぬいがあまりなかったのもあってか、持ち歩いてる方をよく見かけていたので…。調べたところ2012年発売だったみたいですね。現役の方がいるなら10年選手なんですね、すごい。なお私は持ってませんw当時はグッズ収集癖もなく、ぬい自体あんま買わない上に造形が絶妙に可愛くない(笑)と思ってたのでww
ぬいで唯一我慢できなかったのは指人形ですね。パペ顔可愛すぎてェ…、店舗での展示も天才的可愛さで本当無理でェ……。全員欲しかったけど直前に初箱買いしたカラコレを少々持て余してたので、我慢に我慢を重ね鉢尾だけ買いました(笑)もし再販されたら少なくとも学級と会計は揃えると思います。お財布的には再販しないで貰いたいけど…w

脱線しましたね。話を戻します。
情けな可愛い三郎、書くのがとっても楽しかったです。前半上げた時に「三郎が抵抗できずに観察されてるとこが好き」と言ってくださった方が居てニヤニヤしてました。
最後の独白でお察しかと思いますが、本作は某童話パロ的要素を含んで構想しています。想い人からのキスで元に戻るの、n番煎じだろうけどロマンティックだし可愛いじゃん!六ツ時に足りない要素だよロマンティック!!と思いまして。……が、書きながら調べ直したら記憶してた上述の展開は後出のパロ作品のもので、某童話では壁に叩きつけてました。……ので、尾浜くんにも床に叩きつけてもらいました(笑) ロマンティックからは今度も脱線したわけですが、こっちの方が「らしく」てよかったかなって思ってます(笑)
正直今の時点で結構気に入ってるし、勘右衛門視点とか後日談とかも妄想メモだけはあるので、いつか書けたらいいな~とか思います(言うだけはタダ)

ここまでお読みくださりありがとうございました!

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